勤務先の病院の規模、クリニック、訪問など看護師の活躍の場はとても広く様々な知識が要求されます。
中でも今回は精神科で働く看護師にフォーカスして紹介していきたいと思います。
精神病はストレスや仕事でのトラブルで発症する場合もありますが、病気との合併症で併発する場合もあるため意外に身近な存在の精神科。
心身のケアのプロである看護師の心の部分のケアが多く求められますが実際の業務はイメージしづらいかもしれません。そんな未知だけど興味を惹かれる「精神科で働く看護師」の仕事内容と役割を紹介します。
精神科の看護師の役割
精神科の看護師には大きく分けて４つの役割があります。
信頼関係が命！対話を主とした心理ケア
一般的に通常の傷病よりも精神疾患の患者さんは病状への理解が少ないため、医療者への不安が強いといわれ、患者医療者間の信頼関係が肝心になります。その中で日々のケアの中でコミュニケーションによる信頼関係の構築が看護師には大事な役割です。理由としては精神疾患に対する治療は薬物療法が主になりますが、精神疾患の患者さんに対しての与薬は一筋縄ではいきません。
そこで看護師として患者さんに「この看護師さんの言うことは信じていいんだ！」という安心感を与えるためのコミュニケーションが結果として病状の緩和につながるため、適切な関係性の構築が大事な役割になります。
場合によっては主治医に言いづらいことを看護師に訴えてくることもあります。
多いのは「薬の量を減らしてほしい」などで、その場合は主治医との対話を促すなどの親身になった関係性がきっかけで病状が快方に向かうこともあります。
観察と察知能力が必要！状態によるアセスメント
主治医による診察だけでなく日頃の会話などで症状を察知し患者さんの状態をアセスメントすることも精神科医の看護師の大事な役割になります。
精神疾患を抱えていると自分の症状を的確に伝えられない場合も多く、また過剰にいわゆる「盛って」自分の状態を伝える患者さんもいらっしゃいます。特に診察の場など改まった場所だと病状が悪化し正確な状態を知らせることのできない場合も多いです。
そのため看護師は常日頃、日常生活の中での状態をアセスメントし、主治医に伝えることが重要役割になります。
「いつもと違うな」と思うことがあれば逐次主治医に報告、そこから主治医による投薬や血液検査などの指示が出る場合も多いです。
様子や言動だけではなくバイタル、体重測定も大事な要素になるため日頃の業務が特に重要なファクターとなります。
病状の改善の要！セルフケア援助
精神疾患の度合いによっては排泄、髭剃り、入浴介助などケアが必要場合があります。清潔な状態が与える精神疾患への影響は大きく、体のケアだけでなく心のケアにもセルフケア援助は重要です。
精神科ではデイケアやナイトケアを行っている施設も多く、そこでの看護も精神科看護師の業務です。デイケア・ナイトケアとは精神疾患をもつ方が社会復帰するために完全な入院ではなく一定時間や夜間のみなどのケアを行うことで、カウンセラー、作業療法士と共に生活習慣を取り戻すためのゲームや軽作業、レクレーションなどを行いますが、看護師はその場に立ち会い前項のアセスメントも精神科看護師の役割です。
知識と説明能力が必要！与薬（経口投与・静脈注射）
精神科の治療方法で最もポピュラーなものは薬物投与による治療になります。薬の種類も多岐にわたり、病状の変化も激しいため精神科看護師は与薬の知識が必須となります。
患者さん自身では適切な薬剤の摂取が難しい場合が多いため、決まった時間の訪問時のみの投薬などで工夫している看護師さんも多いです。
精神科看護師のやりがい
精神科看護師はたとえばボールペン一本の置忘れなどでも重大な事故につながる可能性もある大変なお仕事です。薬剤への知識の必要性なども重要であるため苦労の絶えない仕事ですが、その中でも一番のやりがいは看護師さん一人一人の持ち味、人間性がケアに生きることです。
患者さんとの信頼関係が重要視されるため、仕事としてだけではなく人間としても大きく成長を実感できるでしょう！「あなたのおかげでこれから前向きに生きていこうと思えた」「どこに行ってもあなたがしてくれたことを忘れません！」など患者さんの人生に大きくかかわり、笑顔を感謝の気持ちを近くに感じられることは大きな喜びにつながります。
精神科のお給料事情
精神科は激務ではありますがほかの科と大きな差はありません。ただデイケアやナイトケアを併設している施設では夜勤手当があるほか、人材不足のため給与を高く設定している施設も多くあるようです。
まとめ
今回は精神科で働く看護師の仕事内容を紹介しました。診断、病状の変化が目まぐるしく、研究途上の病理も多いため常日頃からの勉強は欠かせませんが人間味のある素敵なお仕事です。
現在4人に１人はなにかしらの精神疾患を抱えているといわれている現代において、需要が急増している仕事になります。きっと仕事を超えたやりがいを得られる業務があなたを待っていることでしょう！この記事を参考に精神科医の看護師を目指してみてはいかがでしょうか。
