看護師なのに公務員?!市民病院で働く看護師の実態を紹介!

「看護師なのに公務員?」と多くの方は思うかもしれません。
しかし看護師でありながら公務員、とう方は多くいます。それが「公立の病院で働く」という方法です。
市立病院や県立(都立)病院は地方自治体が運営・経営をしています。
そこで働く看護師さんは地方公務員になります。

今回の記事では、公務員看護師の実態とメリット・デメリットを紹介します!

そもそも市民病院って何?

市立病院や県立病院は、都道府県や市町村などの自治体が運営する医療機関のこと指し、大きな枠でいうと市民病院に該当します。市区町村病院と都道府県病院があります。
これらは自治体が運営・経営をしていますので、ここで働く看護師は公務員ということになります。
地方自治体が運営している病院で勤務する場合は「地方公務員」となり、
国が運営している病院で勤務する場合は「国家公務員」となります。

市立病院と市民病院の違いは?

ややこしい名称で「市立病院」と「市民病院」というものがあります。
2つの違いをシンプルに解説すると以下のようになります。

市立病院 自治体である市が運営している病院
市民病院 市が運営している病院に加えて、民間で運営している病院を含むのが市民病院

この2つの違いで気を付けなければいけないのが「雇用条件」です。
市立病院は市が運営しているので公務員になりますが、市民病院の場合、市が運営している病院では地方公務員となり、民間が運営している病院では経営母体の雇用制度に準ずる形になりますので注意しましょう。

市民病院で働くメリット

公務員看護師は地方公務員待遇が受けられるため(若干の差異はあるものの)以下のような手当がつきます。
※自治体によって変わるので東京都立病院の例です。

手厚い公務員待遇

  • 住居手当
  • 初任給調整手当
  • 期末勤勉手当
  • 特定看護分野従事手当
  • 分べん介助業務手当

しかも手当だけではなく休みも充実しています。カレンダー通りに休みがありますし、夏季休暇など長期休暇もとれますので年間休日が120日を超えます。休みが不規則になりがちな一般病院勤務の看護師と比べるととても働きやすいといえます。

また病院都合で解雇されることがないので安定して働ける職場といえるでしょう。

毎年昇給がある

これも公務員待遇の大きな恩恵です。公務員は毎年昇給があり、月給が上がっていきます。当然公務員看護師にも適用がされます。
しかも、この昇給は法律で定められているので突然なくなったりはしません。

年収の比較表
公務員看護師 5,844,353円(平均年齢40.3歳)

民間看護師(企業規模1000人以上):5,053,200円(平均年齢35.1歳)

民間看護師(企業規模100~999人):4,643,500円(平均年齢40.4歳)

民間看護師(企業規模10~99人):4,460,800円(平均年齢47.8歳)

(厚労省「平成29年賃金構造基本統計調査」より)

このように民間病院と比較すると大きな差があるのが一目瞭然です。

キャリアアップしやすい

市民病院はほとんどの場合、中規模ほどの総合病院です。
総合病院に勤務することは様々な経験を積めるということなのでキャリアアップにつながります。
また新人教育・キャリア教育などの研修制度が充実していることが多いので、これもまたキャリアップがしやすい一因になるでしょう。

市民病院で働くデメリット

副業が禁止

公務員は副業が禁止されています。これは法律で定められていることなので病院に見つかると罰せられる可能性もあります。

また公務員は失業保険がもらえません。
これにはきちんと理由があり、①給与水準が高い②病院都合で解雇されない、この2点の理由から雇用保険に加入しません。ですので失業保険ももらえません。

能力評価がないところが多い

公務員は基本的に年功序列の色が強いです。メリットと紙一重ですが毎年昇給があるのでスキルの差による能力評価がない病院が多い傾向にあります。
※役職による手当はつきます

民営化の可能性

ここ最近ですが、市民病院には財政難にさらされている病院が多い傾向にあります。
なので統廃合や民営化がされる可能性はゼロではありません。
一方で経営がうまくいっている市民病院もありますので、心に留めておく程度でもよいのかもしれません。

公務員求人を探すポイント

求人の探し方

市民病院は市民のための病院である必要がるので一定の規模感を求められます。なので人手不足であることが多く、求人をだしている病院が多い傾向にあります。
しかし一般的な転職サイトには掲載していないケースが多いので市民病院の求人を探すのには少しコツが必要です。

探し方とは、
①地方自治体の公式サイトの「職員採用情報(専門職など)」
②市民病院の公式ホームページ
の2つをチェックすることです。他の職種の求人を一緒に掲載されていますが、看護師の求人もこちらに掲載されています。

見るべきポイント

公務員看護師の求人は、民間病院の求人と比べて見るべきポイントが少々異なります。公務員待遇という雇用条件の差から生まれる項目です。
公務員看護師特有の項目を2つ解説します。

    転勤の有無
  • 全国に連携をしている公務員特有の問題ですが、転勤の可能性がありますので、転勤の有無は必ずチェックすべき項目です。
  • 正規職員かどうか
  • 嘱託(しょくたく)職員募集の可能性があるため、正規職員の求人かどうかを確認する必要があります。嘱託職員とは”臨時に雇用する職員”のことなので、契約期間中は地方公務員の待遇を受けられますが、契約期間が終了すれば解雇されることもあるので注意しましょう。

最後に

公務員看護師という働き方はとても人気があります。
「看護師」なだけでも安定している職種なのに、そのうえ「公務員」になるわけですから。
なので市民病院の求人は短時間で応募が殺到します。しかも求人が出るタイミングは人手不足になったときですので不定期です。
公務員看護師という働き方に強い希望がある人はこまめに自治体のホームページをチェックして求人を逃さないように意識しましょう。

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